こんばんは。
関東における相互直通運転では直通運転の規約として車両の性能を統一するというのが基本的なスタイルになっています。最近で一番それを感じることができるのは日比谷線と東武スカイツリーライン(及びその先の日光線の一部)で行われている相互直通運転で、車両が18m級3ドア車から20m級4ドア車へ一斉に置き換えが行われましたが、車両の仕様は統一、というか瓜二つで塗装と内装のデザインがそれぞれの会社オリジナルになっているぐらいにまでになっている。こうして車両の性能だけでなく見た目までそっくりになっている例が多く見られます。
そんな中でも直通運転を行っている会社で車両の製造を行うとき、ノウハウは相手会社のものであるにもかかわらず、本家本元の車両が出る前に直通先の会社が先に車両を製造したなんていう例がいくつか存在します。今回はそんな車両を3つ取り上げていきます。
続いては小田急の4000形、こちらは小田急に2007年から走り始めてる地下鉄千代田線直通にも対応した車両です。その内装はともかく、見た目や機器類はJRのE233系とかなり近しいものがあり、E233系4000番台などと揶揄されることも多々あります。実際に千代田線を介して相互直通運転を行っている、JR常磐線からやってくる車両はE233系2000番台で似たような車両が行き交っています。
もちろんこれらの2形式はE233系(もしくはそれと同等の形式)ではありますが、千代田線内を走行する関係上ストレート車体で前面に非常扉があることなどそれまでのE233系とは見た目が大きく異なることは書くまでもないでしょう。これらの2形式ですが、たいてい4000形がE233系のパクりだと言われます。確かに機器面ではE233系0番台が一番最初2006年に登場してるので、パクった(まあ機器面で統一をしたという表現が正しいでしょう。)ということになります。とはいえ、地下鉄直通に合わせたデザインは4000形の方が先に登場しています。E233系自体は登場したのちに製造された形式ではありますが、実は「4000形に似たE233系2000番台」と言えるでしょう。
これはもう有名な通り相鉄の中でも悲しい形式として最近取り上げられることも多い形式です。そして、JRの性能に近い車両を製造している私鉄各社の中でも群を抜いてノーマルなE233系に一番近しい形式といってもいいでしょう。内装などは当時の相鉄らしさはあるものの、外観から機器面まで何から何までE233系。それもそのはずでその当時から計画されていた相鉄とJRの直通線に合わせてJR企画で製造された形式です。
しかし、製造当時は今直通運転を行っている埼京線ではまだまだ205系天国。その当時を考えると、本家本元のE233系は増殖こそしていたものの、直通先ではまだ製造どころか製造の発表すらされていない時期でした。そして、11000系製造から3,4年後にようやく埼京線も205系からE233系7000番台に。それまでの段階でE233系も若干ながら変化があったり、機器面でも埼京線にATACS導入などによって結局直通線にはE233系の足回りだけど車体はE235系よりの12000系が用いられることになりました。ともあれ、11000系は悲しい形式ではありながら相鉄が力余ってか勢いで直通先で走る車両よりも先にJR型の新しい車両を作ってしまったという経緯があります。