おはようございます。
全国的にも数少ない川の上にある駅、その1つが阪神電車の武庫川駅です。この駅はちょうど川の真上にホームがあり、川の両岸に改札があるというかなり変わった構造の駅となっています。今回乗車していくのはこの武庫川駅から出る阪神武庫川線。合計で4駅しかない阪神の支線です。武庫川線のホームは川の西側に川と並行する形で設けられています。
武庫川から乗車するのは5500系の2両編成ワンマン列車です。武庫川線を走る車両は数年前に5500系に更新されており、各編成に阪神沿線ゆかりのラッピングが施されています。今回乗車したのは阪神タイガース塗装の車両でした。外観は阪神タイガースのカラーである黒と白と黄色でデザインされており、中に入ると野球場をイメージした内装になっています。短い路線ながら乗っていて楽しい路線でもあります。
列車は10分足らずで終点の武庫川団地前駅に到着しました。支線らしい1面1線の終着駅で、小ぢんまりとしたところですが、周囲には立派な住宅地が広がっています。この武庫川線自体が元々はこの武庫川団地を開発した住宅・都市整備公団という団体によって整備されたという経緯があります。完全に団地の住人向けの路線なので私のような外部からの乗客というのはごくわずかなものです。
さて、武庫川線を後にし残すは阪神なんば線の1路線のみ。なんば線は近鉄との境である大阪難波から乗車していきます。大阪難波は完全に近鉄の管理駅なのでここでは1ミリも阪神を感じられません。そして、やって来る車両も6割から7割が近鉄車なので地元に戻ってきた感じの方が強いです。
阪神なんば線は元々阪神西大阪線と呼ばれる尼崎から西九条まであった路線を延伸して近鉄の難波駅と接続されました。今年で開業15周年となるわけですが、これによって大阪のミナミと呼ばれる部分を経由して奈良と神戸が1本で結ばれるようになりました。今回も主力種別の快速急行に乗車することとなりました。
ちなみになんですが、この快速急行ですが近鉄線内では種別カラーが赤なのに対して阪神線内では水色のため大阪難波~桜川間で表示を変更するようになっています。同じ種別だけどカラーが変わるのは東急と東京メトロの間などでも見られますが、ここまではっきり色が変わるのは珍しいのではないでしょうか。
もう1つこの路線の面白いところが運転士などの乗務員交代が境界である大阪難波ではなく1つ阪神線側に進んだ桜川駅で行われるということ。直通運転となれば東海道新幹線と山陽新幹線の新大阪駅が代表されるように境界駅での交代が原則となっています。しかし、この2つの路線の直通運転は少しばかり特殊のため桜川になっています。よく知られた理由ではありますが、大阪難波での近鉄の折り返しスペースを阪神の桜川に移設したことにより、桜川~大阪難波間を一定数の近鉄車が乗り入れる必要があるため、運転主体は近鉄となっているのです。そのため、乗務員も桜川で交代となっています。
走行しているうちに快速急行は尼崎駅に到着。これにて、阪神電車全線走破となりました。短い路線ながらなかなかに味の濃い路線だったように思います。ちなみに、最後の尼崎で少し気になった看板が。直通運転のメリットを最大限生かしている「伊勢志摩・名古屋方面」という文字を表記しています。さすが、関西の私鉄という感じがしてなりません。ちなみにこれにてこのブログで取り上げた関西大手私鉄の全線走破は南海と京阪の琵琶湖近辺の路線以外となりました。そろそろ京阪と何回乗りに行かないとですね。最後までお付き合いいただきありがとうございました。ぜひ、次回の旅でお会いできること楽しみにしております!